こんにちは! hugくむLIFE🌿ゆーちゃんです。
2月。世間はバレンタインで盛り上がる中、高校・大学受験の時期、そして就職活動の時期でもあります。早い人だともう動き出しているのでしょうか。当時の僕は、将来のことでたくさん悩んでいた時期でした。
「薬学部を卒業したらどこで働こう?」「僕・私はどういった働き方がしたいんだろう?」「仕事で何をやりたいんだろう?」などなど、大学卒業後の進路に迷ってらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
大学入学当初は「大学を卒業したら薬剤師になるんだ!」と思っていたのに、病院・薬局実習を経験するうちに「薬剤師は違うかも」と思うようになることだってもちろんありますよね。研究室で研究を進めていくうちに研究楽しいなと思いはじめたりもするし、そんな風にいろんな興味関心に振り動かされながら大学生活を過ごしている方も多いのではないでしょうか。
僕もまさにその通りで、薬剤師を目指していたものの、研究のほうへの関心が高まり、とりあえず楽しかった実験・研究を仕事にしたいと思い就活を開始しました。数年間は製薬企業で実験を仕事にしていましたが、その後、薬剤師としても働いてみたいと思い、働きながら勉強、国家試験に合格して今は病院薬剤師として働いています。
薬学部だけの話ではありませんが、卒業後の進路って幅広いですよね。大学在学中に得た知見を活かしたいと思った場合、病院や薬局で薬剤師と働く人もいれば、県庁や市役所に薬剤師職で入社する人、製薬企業で研究・開発・MRに携わる人など、選択肢はたくさんあります。大学での研究を続けたくて大学で教員になる人もいます。
はたまた、薬剤師免許は持っているけど薬剤師として働きたくなくて全然違う職種で就職を決める人だっています。友人はキャビンアテンダント(CA)になりましたし、僕が大学受験のために通っていた予備校の先生も薬剤師免許を持ってはいるものの、化学の先生として働いていました。
これらのことからもわかるように、未来の選択肢はたくさんあるし、そのどれを選んでも、正解です。今皆さんが感じている悩みや不安、全部間違いではありません。それを大前提として、
- 薬学部を卒業したのに薬剤師で働かないなんて変だよね
- 薬剤師と製薬会社で悩んでる
- 安定を考えて公務員を選択肢に入れてるけどそれでいいのか自分でもわからない
- 転職が当たり前の今だから、最初の一歩を間違えたくない
こんな風に思い悩んでいる方がいたら、今回の記事がお役に立てるかもしれません。
今回は、公務員→製薬会社の研究職→病院薬剤師としてキャリアチェンジをした僕自身の体験と、友人等の話を踏まえながら、これらの3職種+薬局薬剤師の計4職種の特徴や待遇などを比較するとともに、転職についても触れていこうと思います。
公務員、製薬企業、病院薬剤師、薬局薬剤師のちがい
あくまで個人としての主観ですが、それぞれの違いを表にしました。他の人から見ると「これは違うよ!」と思うかもしれませんが、そこはご了承ください。
公務員 | 製薬企業研究職 | 病院薬剤師 | 薬局薬剤師 | |
給与 | 安定しているが、年功序列 | 年功序列が有るが、成果に応じて上がる会社も有 | 安定しているが、 年功序列 | 病院薬剤師より高い。年功序列が多い。 |
有給の取得 | 取りやすい | 取りやすい | 他の人と要相談 | 他の人と要相談 |
フレックス制度 | 有 | 有 | 無 | 無 |
テレワーク | 有 | 有 | 無 | 無 |
やりがい | 異動に伴い興味のない仕事することも有 | 異動に伴い興味のない仕事することも有 | 薬剤師が好きなら◎ | 薬剤師が好きなら◎ |
人事異動 | 他部署への異動有 | 他部署への異動有 | 無 | 他店への異動有 |

いっぱい働いて、ひなに美味しいご飯食べさせろもん

頑張ります!!
公務員として働く場合
薬剤師資格を持つ「公務員」ってどのような働き方・仕事をすると思いますか? 今回は、公務員でも薬学部の卒業者の多いPMDAの仕事内容に触れようと思います。
PMDAは、大きく分けて審査・安全・救済の業務から成り立っています。審査業務では、新規の医薬品が市場に出る前に、その医薬品の効能効果、安全性の確認などを行います。企業とやり取りをしながら審査を進めていくことになります。また、臨床試験のデザイン設計等を製薬企業と実施したりします。
安全性業務では、医療機関から報告される副作用をまとめたり、その副作用が本当に医薬品によって起こったのかを調査します。製造販売後の調査のデザイン設計に携わることもあります。
救済業務では、医薬品副作用被害救済制度、生物由来製品感染等被害救済制度に関与する業務に携わり、支給等にも関与します。細かいことは省きますが、医薬品により副作用が出た際に、給付金の申請を行う業務です。
PMDAでは1000人を超える人が働いており、内部だけではなく医師や大学の教授など外部の人とも関わることがあり、仕事を通じてさまざまな人と関わることができます。たくさんの人と関わりながら仕事をしたいと考えている方は楽しめるかもしれません。あとはなんといっても福利厚生がいいことです。公務員のため、安定性は確保されていますし、休みも比較的取りやすいと思いますので、仕事とプライベートのどちらも充実させたいと考える方は選択肢に入れていいでしょう。
一方で、公務員という特性上、数年毎に部署異動があるため、一つのことを突き詰めることが難しいといった側面があります。一つの論点に対して採決をとるのに時間がかかるのも公務員ならではです。公務員ならではの働き方に閉塞感を感じる場合は、ほかの職種を除いてみてもいいかもしれませんね。
一つの専門性を追求するよりも、いろいろな仕事にチャレンジしてみたい方や、時間をかけて一つの医薬品を向き合いたいと考える方にはとても向いている仕事だと思います。
製薬企業の研究職として働く場合
業務内容
製薬企業に勤めることになった場合、大抵は医薬品の研究を行います。
どんな疾患を対象とするか、どういった疾患であれば医薬品を開発することができるか、医師等と相談を行いながら考えていきます。対象の疾患を決めたら医薬品をつくるための実験をスタートします。部署にもよりますが、何万、何十万といった化合物をスクリーニングにかけて、対象とした疾患のターゲットにふれる化合物を探していきます。
ターゲットがわからない場合は、病態の改善の有無で化合物のスクリーニングを行います。スクリーニングをかけて候補化合物が抽出されれば、作用機序の解明を行い、動物を用いた実験でも効果を示すか、副作用はどの程度あるか等を調べていきます。副作用が許容されない場合は、化合物の構造を変化させて薬効を示しかつ副作用が少ない化合物をつくっていきます。
製薬企業の研究職の特徴
このように、研究が好きな方にとってはとても楽しい業務だと思いますが、製薬企業で研究職として入社しても研究以外の部署へ移動になることは十分あり得るということは頭の隅に入れておいてもいいかもしれません。
僕の友人では、新卒で研究職として入社したにもかかわらず、翌年には全く違う部署に異動になった人もいました。僕の体感として、入社してから定年を迎えるまで、研究職としてずっと働ける人はごくわずかです。20歳前半で入社した場合、30歳前半で結果が出せているかどうかなどの観点からふるいにかけられて部署異動になることもあります。40歳代になってからも、再度異動のふるい分けにかけられます。
大学の後輩で研究職についている人もいますが、彼は研究職にこだわっていないので部署移動があっても良いかなと言っていました。研究自体が好きであることはもちろん大切ですが、他部署への異動があると考えて、企業理念や企業の業務内容に共感できるか、しっかりと把握しておくことが大切です。
一方で、福利厚生はとても良いと思います。有給休暇をはじめとしてさまざまな制度が充実しています。特に有給休暇はとりやすいです。所属しているプロジェクトが多忙な時は取得しにくいかもしれませんが、基本的に取りたい時に取ることができます。GWやお盆、年末年始など有給と繋げて10連休にする人や、金曜日をお休みにして3連休にしている人も多くいました。

僕が以前働いていた企業では、金曜日に有給を取得する人が多く、金曜日は人がほとんどいなかったです。

自分のライフスタイルに合わせて休暇を取得できるのは魅力的だね
年収もかなり良いですし、研究職の場合、フレックス制を取り入れている会社が多いのも特徴的かと思います。例えば、1日7.5時間勤務の場合、11時~15時の4時間の勤務は時間固定ですが、残りの3.5時間は朝働いても夜働いても良いといったように働き方の自由度が高い印象でした。
さらに、実験のない日は在宅ワークも可能としている会社も多く、必ずしも出社する必要がありません。また、テレワーク制度も充実しており、子どもが風邪をひいたときなど、テレワークにして働く先輩も多くいました。
病院・薬局薬剤師として働く場合
病院薬剤師の業務内容と特徴
病院薬剤師は、調剤業務、抗がん剤のミキシング、服薬指導、DI業務等様々な薬剤師業務に携わります。また、カルテ情報を確認することができるので患者さんの病態をすぐに確認したり、処方箋を見た際に医師がどういった意図でこの処方を出したのかを調べることも必要です。
病院の場合、さまざまな症例を見ることができるので、認定や専門の資格は薬局と比較すると取りやすい環境にあると思います。しかしながら、病院に薬局は一つしかありません。そのため、人事異動がほぼないので退職したり、新しい人が入社したりしない限り人間関係の変化はありません(ほぼ異動がないと記載しましたが、医薬品の安全管理をする部署などに異動が生じることもまれにあります)。
また、病院は24時間365日稼働しているため、休日に出勤する必要があったり、夜間の対応が必要になったりします。手当は出ると思いますが、生活リズムが時には不定期になることも視野にいれておかないといけません。

あと、有給はめっちゃ取りづらいです(笑)
薬局薬剤師の業務内容と特徴
薬局薬剤師は、調剤業務、服薬指導をメインに行います。薬局によっては、在宅医療に関わることができたり、OTC医薬品に携わることができたりします。
土日祝がはお休みの調剤薬局やドラックストアも数多くあるので、病院と比較すると生活リズムはあン呈していると思います。ですが、行える業務に限りがあり、カルテも確認できないです。同じ薬剤師でも把握できる情報はどうしても限られてしまいます。
他店がある場合には異動があるので、病院とちがって一緒に働く人が定期的に入れ替わります。ただ、店舗が全国にある場合は全国への異動が生じますので、地域限定での転勤が可能かは要チェックです。
給与については、病院よりも調剤薬局やドラックストアの方が高いです。

意外すぎる
ドラックストアで働いている知り合いの薬剤師の体験談ですが、新規化粧品を開発してヒットさせたら年収が上がったと言っていました。製薬企業も同様ですが、自社開発製品のある企業は成果報酬型の給与体系を導入している可能性があります。
福利厚生に関しても、社員割引を適用しているドラックストアもあります。また、社宅制度を取り入れている企業も多いので、実家を離れて生活する場合、家賃を負担してもらえたりと、病院と比較して福利厚生の面で優れていると思います。
一方で、製薬企業の働き方と比較すると、出勤しないとできない業務が多くなるため、在宅ワークで働くということは難しいと思います。
有給の取得は病院薬剤師でも薬局薬剤師でも、基本的に取りたい日に取ることはできます。が、あまりにも多くの人が同日に有給を取得すると業務がまわらなくなるので、有給の取得日を同僚と相談する必要があります。また、薬局によっては、シフトを管理する人が有給を勝手にいれてしまうところも。公務員や製薬企業よりは制約がある印象です。
公務員・製薬企業研究職・薬剤師それぞれに向いている人の特徴
以上、公務員、製薬企業(研究職)、病院薬剤師、薬局薬剤師の仕事とその働き方の違いについてまとめました。仕事を選ぶ際、仕事内容や待遇面など何を重要視するかは、人それぞれ違うと思います。
これまでの経験を振り返り、どういった仕事をしたいのか、待遇や福利厚生はどの程度を求めるのかは一度考えた方が良いと思います。
最後に、公務員、製薬企業(研究職)、薬剤師それぞれどういった人が向いているのか、僕なりの経験から独断と偏見でまとめました。これまでの内容と重複する箇所もあると思いますが、お付き合いください。
公務員に向いている人
- 数年で異動があるため、一つの業務を極めるよりは幅広くさまざまな業務を経験したい人
- 一つ一つの業務について、丁寧に時間をかけて検討しつつ進めることができる人
- 社内外問わず人と関わることに抵抗がない人
製薬企業に向いている人
- 研究プロジェクトの入れ替わりが激しく、専門性を極めつつ臨機応変に対応できる人
- 人事異動も時にはあるため、研究以外のことにも興味を持ち業務を遂行できる人
- プロジェクトを決められた期間内にある一定の結果を出すことができる人
薬剤師に向いている人
- 人と関わることの好きな人
- 医師、看護師等様々な職種の人とコミュニケーションがとれる人
- どちらかというとルーティン業務が多いため、同じ作業を行うことに抵抗がない人
まとめ
今回は薬学部出身の方のキャリアを焦点に、悩みがちな候補である公務員・製薬企業・薬剤師の業務や待遇についてお話ししました。
新卒枠は貴重な枠です。
将来のキャリア設計の話になると、「新卒で病院で薬剤師として働いて、合わなかったら企業で研究をしたら良いんじゃないの?」「今の時代、転職が当たり前だからいつでもキャリアチェンジができるじゃん」と思う方もいるかと思います。
僕自身も転職を繰り返してきたので、キャリアチェンジをすること自体は良いことだと思いますが、一つ気を付けてほしいことがあります。製薬企業から薬剤師への転職はできますが、薬剤師から製薬企業への転職は正直難しいということ。
製薬企業のどの職種を選ぶかにもよりますが、研究や開発職に転職したいと思っている場合、薬剤師から研究職・開発職への転職は難しいです。キャリアチェンジを考える場合には、自分が次に希望する職種が未経験でも就くことができるのかは事前に調べておく必要があります。
このように、転職はこれまでのキャリアやスキルが少なからず評価されます。それに対し、新卒はそうではありません。だから新卒枠は、とても貴重なのです(2回言いましたよ!)。
「もっと考えて就活をすればよかった」「新卒枠を無駄にしてしまった」「思っていた仕事と違った」などと後悔することが無いようにしてほしいなと思います。皆さんの社会人としての第一歩目となる会社選び、応援しています!
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最後までお読みいただきありがとうございました!
hugくむLIFE🌿
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