こんにちは!hugくむLIFE🌿(ゆーちゃん)です。
病院薬剤師として転職したい! だけど未経験だから不安……。
そう思って病院薬剤師への道をあきらめている人はいませんか?
僕は、薬科大学に進学したものの、新卒での薬剤師国家試験に失敗。大学を卒業してから数年は製薬企業などの薬剤師以外の職について働いていました。
しかし、薬剤師として働きたい気持ちを抑えきれず、働きながら勉強をして薬剤師の資格を取得し、現在病院薬剤師として働いています。
転職活動は自分の人生の進路を大きく変えることになりますし、仮に転職活動に成功したとしても、新しい就職先が自分に合わなかったらどうしようと考えたりと、活動中は大きな不安と戦うことになりますよね。
今回は、僕のように未経験から病院薬剤師へキャリアチェンジをしようと思っている方に向けて、どのような点を意識して勤務先の病院を選んだのか、その選び方は正しい選択だったのかを振り返りながら書いていこうと思います。
- 未経験だけど病院薬剤師になりたい
- 病院選びで失敗はしたくない
- 自分に合った病院を選びたい
そんな風に感じている方に読んでいただきたい記事です。病院を選ぶ際の条件は、僕が意識していたことになります。完全に僕の場合の話にはなりますが、僕の失敗談も踏まえてかなりぶっちゃけてます!
皆さんに失敗しないでほしいと思って本気で記事を書いたらすごい文字数になってしまいました(笑) 最後までお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。
病院の選び方で意識した5つのポイント
自分に合っている教育体制を見極めるべし
転職先の病院を選ぶ際に意識したことの1つ目は、「教育体制がしっかりしているかどうか」です。
薬学部を卒業して期間が空いていることもあり(いわゆるブランク)、大学で習った臨床に関わる知識はほとんどありませんでした。そのため、入社して最初から知っていて当たり前といった前提で業務が進んでいくと、正直つらい。
具体的な知識や経験がないにも関わらず「薬剤師の資格があるから大丈夫」という前提で業務が進むと、見落としや間違いがあった場合、誰にも指摘されないまま患者さんにお薬が提供されてしまったり、何か良くない影響を及ぼしてしまう可能性も。それを考えると不安や恐怖しかありません。
また、新しい勤務先で初日からガンガン質問できるタイプではないと自認していました。わからないことがあったときに先輩が忙しそうだったら自分から質問できるだろうか?

正直聞けないんですよね、僕の性格では……
ある程度先輩との関係ができるまでは、「これは知っている?」「わからなかったらその都度聞いてね」とコミュニケーションを取りながら業務に携われる環境だったらうれしいと思いました。そのため、自分が行う業務全般に対して、先輩からフィードバックをもらうことのできる病院であることは重要視しました。
未経験の中途採用で薬剤師として働く場合、僕自身が学び続けることはもちろんですが、病院側にも「教育する」意識が高いかどうか、そこは確認しておくとベターかと思います。

教育体制が充実してる病院にしてどうだった?

ぶっちゃけ微妙😇
自分の仕事スタイルとの相違を考えなかったことが痛恨のミス!
入社初期は、自分が想定していた通り、併用してはいけない薬があることに気づかないなど、自分の間違いに気づかず業務を進めてしまうことが何度かありました。ですが、その都度先輩に確認してもらい、フィードバックをもらえる環境があったので、何がダメだったのかがその場でわかりますし、少しずつ自分でも気づけるようになりました。
服薬指導の場面でも先輩についてもらえたので、わかりやすく説明するコツ、患者さんが質問しやすい雰囲気づくりや言い回しなどを学ぶことができました。
余談ですが、服薬指導が終わった後に「何か質問はありますか?」と聞くのと、「何か不安なことや気になったことはありますか?」と聞くのでは、聞き返しやすさが異なるって知ってましたか? 不安を吐き出して納得してもらうことが重要なので、「質問」というワードはこういう場面ではあまり適さないそうです。
こういった細かな部分が学べるのは、やはり教育制度がしっかりとされているからだと思います。

めちゃくちゃいい環境を選べたように聞こえるけど、なんで「微妙」だと思うの?

仕事に慣れてくると僕の行動スタイルとは合わないと思い始めたんだ
僕が選んだ通り、就職先の病院は教育体制が整っていて、とても丁寧に業務内容を教えてくれるところでした。それはとてもよかったです。
だけど、教えてもらったことをすべて完璧にできないと「一人前として認めてもらえない」環境でもありました。仕事に慣れてくると、これがすごく精神的にきつくなってきました。
思えば僕自身、教えてもらって成長するタイプではなく、とりあえず自分でやってみて失敗を繰り返しながら成長するタイプでした。これまでの仕事で結果を出した時も、何かプロジェクトを成し遂げた時などでも、とりあえず自分で考えて動いて、どうしてもわからないことは先輩に相談するといったスタンスの人間でした。1から10まで教えてもらいたいタイプの人間ではなかったんです。
丁寧に教えてもらえることは今後の業務を進めていく上で失敗の回数が防げるので良かったのですが、「教えてもらっている期間=一人で業務を任せられない期間」だったので、試行錯誤をしながら一人で仕事をすることができません。

「ある程度は教えたから、あとは自分で自由にやってみろ!チェックはしてやる」って社風のほうが合ってたんだね

自由に挑戦できる環境があると能力を発揮するタイプだったから、いつになっても信頼されてない感覚になってきて、病院への不満も溜まりがちになっちゃったんだ
自分の行動スタイルも踏まえながら教育体制を見るとGOOD
就職する職場の教育体制は、しっかりと確認した方が良いと思います。
ただ、僕のように教育体制だけで判断するのではなく、そこから一歩踏み込んで自分の行動スタイルも踏まえて判断してほしいです。
自分自身が1から10まで教わりながら仕事をしたいタイプの人間なのか、ある程度教わった後は一人で失敗をしながら試行錯誤したいタイプの人間なのかはしっかりと考えた方が良いと思います。
教育体制が整っていることは重要ですが、まずは自己分析をしっかりと行い、どういった教育方法が自分に適しているのかを見極めることのほうが重要です。その次に、病院の教育体制を確認して、自分とマッチするのかどうかを考えるといった流れが良いと思います。
業務の内容は固定or変動を見極めるべし
転職先の病院を選ぶ際に意識したこと2つ目は、「担当業務が固定化されていないか」です。
そもそも「担当」とは何か疑問に思う方もいると思いますので、軽く解説します。
薬剤師の業務は、内服薬調剤、病棟業務(服薬指導など)、抗がん剤のミキシング、DI業務、製剤業務、注射調剤など多岐にわたります。そのため、調剤担当、病棟担当、化学療法担当などメインで行う業務の担当が与えられます。
学生時代の実習先の病院では、病棟担当と調剤担当に分かれていました。そしてその担当が1週間ごとに変更されていました。

4月の1週目は病棟担当だけど、2週目は製剤担当、3周目は化学療法のミキシング担当みたいな感じでローテするイメージです。
担当はあるものの固定はされていないため、薬剤師の全ての業務に関わることができます。一方で、病棟担当になると数年はずっと病棟で病棟業務のみ行うとか、調剤担当になると調剤だけ行うといったように、担当が固定されている病院もあります。
僕は、前者の薬剤師の業務を全て行える環境の病院であるかを意識しました。薬剤師として「これから●●の認定・専門を取得したい」や「●●の業務を行いたい」など、具体的なキャリアが決まっていなかったからです。まずは全ての業務を幅広く経験しながらキャリアを考えていきたいと思ったため、担当が固定化していない病院であることを重要視しました。

逆にやりたいことが決まっている場合は担当固定の病院を選んだ方がいいと思います!

業務内容の固定と変動はそれぞれ一長一短がありそう~
担当が固定化していない病院を選んでどうだった?

担当が変動する病院を選んで本当によかったよ! 担当が固定化されていないから、1年目からいろいろな業務を担当させてもらうことができたんだ!
病院によっては、最初に調剤、化学療法、DIなど何に興味があるか聞かれ、入社して半年ほどでその業務に特化することもあると聞きます。僕が就職した病院はそうではないため、調剤、服薬指導、化学療法のミキシング、製剤など幅広く業務に関わることができています。
今後のキャリアを考える上で、いろんな業務に携われる環境は大事だと再認識しました。
それに、病院就職後、やっぱり調剤薬局に転職したいと思った場合に、化学療法のみしか関わっていないと調剤薬局に移ってから使える知識が少なくなってしまい、転職できる調剤薬局が限られてしまう可能性も考えられます。調剤や服薬指導等の知識や経験は調剤薬局に移っても使えますので、業務を幅広く経験しておくことは最初のうちは特に大切だなと実感しました。
休日日数は自分のQOLとすり合わせるべし

転職先の病院を選ぶ際に意識したこと3つ目は、「休日日数」です。
新卒で薬剤師として働いている同年代のほかの人たちに比べたら、僕は知識・経験ともに圧倒的に不足しています。その部分を少しでも早く埋めたいと思い、休日日数が少ない病院をあえて選びました。休日日数の少ない病院を選ぶことで、知識や経験を早く習得することができると思いました。

「休日の日数」について、僕はあえて休みが少ない病院を選びましたが、これは失敗したな~と思っています(笑)
僕は同年代の薬剤師に早く追い付きたいという思いから休日日数が少ない病院を選んだのですが、考え方が間違っていたなと今は思います。実務を積めば追い付けると思っていたのですが、実務だけでは知識が十分に習得できません。勉強の時間が必要になってきました。

勉強の時間もほしいのに休みは少ない、貴重な休みは勉強に追われて休みなのに休めない……負のループの始まりです

たとえ薬剤師の仕事がめちゃくちゃ好きでも、趣味の時間や家族の時間が取れない生活は僕にとってはつらいもの。そんな生活を続けているうちに寝る時間は少なくなり、食生活が乱れはじめ、そうすると待っているのは「苦しい」という感情だけでした(当時は一人暮らし)。

自分でキャリアチェンジを選んだのに、と自分を責めるようになり一番苦しかったです

ひなはお前が家にいない方がうれしいもん!早く仕事行けもん!!

(´;ω;`)イッテキマス
これをきっかけに、自分は人生で何を大切にしたいのか、価値観を見直すようになりました。今は仕事に慣れてきて余裕が生まれたのでメンタルも落ち着いていますが、これからキャリアチェンジを検討される方は、未経験だからたくさん働こうではなく、未経験だからこそ、自分の勉強時間を確保するために休日日数は多い病院を選ぼうという視点で病院を見た方が精神面からもいいと思います。
余裕があれば働いている薬剤師の人数も知るべし
転職先の病院を選ぶ際に意識したこと4つ目は「薬剤師の人数」です。
友人から聞いた話ですが、薬剤師の人数が多すぎると希望する業務になかなか就けない病院もあるそうです。そもそも僕は担当変動制がよかったし、地方の病院を検討していたためあまり重要視する部分ではなかったのですが、病院の病床数に対してあまりにも薬剤師の人数が多い病院は転職先から外しました。どちらかというと、病床数に対して少し薬剤師の人数が少ない病院をピックアップしました。
ただ、この辺りは自分の希望する勤務地や病院の規模によって大きく変わってくる部分だと思います。都市部と地方では薬剤師の数も違えば、先輩薬剤師から学べるものも変わってくる可能性はありますよね。一概にこれがいいとは言えませんので、参考程度にしてください。
薬剤師の人数の多寡については具体的な人数を定義することはできませんが、人数が少なすぎると何かわからないことがあったときに聞きづらいといったデメリットも生じやすいかと思います。なので、行きたい病院が見つかったら、その病院と同等数の病床数を抱える病院をいくつか調べてみて、薬剤師の平均・中央値を計算してみると良いと思います。
総合or個人かはキャリアの方向性から見極めるべし

転職先の病院を選ぶ際に意識したこと5つ目は、「総合病院であるか」です。
理由は前述しましたが、今後のキャリアが定まっていなかったから。総合病院ではない病院の薬剤師を最初の転職先にしてしまうと、眼科や内科など、診療科によって学べる薬剤に偏りが出てしまいます。まずは全ての診療科に関わり自分の興味のある診療科を見つけていきたいと思っていました。
それに、働きはじめた後で総合病院は違うな、調剤薬局やドラックストアで働きたいなと思った場合でも、総合病院で働いていれば転職する際に次の選択肢を狭めずに済むと思いました。

「●●科の調剤しかしてないから不利になるかも」と気にしなくて良い点は、気にしいの性格の僕には割と重要でした(笑) 総合病院を選んだことに後悔はないです!
総合病院だとさまざまな診療科の薬を扱うことができます。もちろん、覚えること・勉強することは多いですが、自分の興味のある診療科がまだまだ分からないので、多くの診療科に関わって興味を探すというのはとても大切だと思います。僕自身、今後のキャリアについては決まっていないですが、総合診療科の病院で働くことでこの先いろいろな選択肢を考えることができているので、総合病院か個人病院かで悩んでいる場合は、「自分のキャリアの方向性は決まっているか?」の視点で考えてみることをおすすめします。
まとめ
今回は、僕が病院を選んだ時の条件と、その条件を満たす病院で実際に働いてみた結果、どう感じているかをまとめました。
- 自分の行動スタイルと照らし合わせて教育体制の充実度とマッチングさせよう
- 具体的なキャリアが決まっていないなら、担当変動制の総合病院が吉
- ブランクありの未経験者は勉強する時間も考えて休日日数は多めの病院を選ぼう
- 余裕があれば病床数に対する薬剤師の人数もチェックしよう
最初から薬剤師として経験を重ねて、認定や専門を取得したいと思っている方は、その専門や認定がとれるかどうかも病院選びの重要な条件の一つに入ってくると思います。人それぞれ捉え方は違うと思いますが、未経験から病院薬剤師になった者の一意見として参考にしていただけると嬉しいです。
‧⁺ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 𖡼.𖤣𖥧𓈒◌܀‧⁺

最後まで読んでいただきありがとうございました!
hugくむLIFE🌿
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